はじめに
そろそろ肌寒くなる季節が来ましたね。この季節になるとより肩こりなど気になったりはしませんか?そしてみなさん肩甲骨が肩こりにも関わってくるということ、知っていますか?今回は肩甲骨についてお話していきます。
■ 肩甲骨はどこ?
(1) 肩甲骨の役割
背中の上部にある大きな骨です。左右に羽のようについていて、腕の上げ下げや腕を回すといった腕の運動とほぼ連動し、その自由な動きをサポートする役割があります。
肩甲骨は体幹(胴体)とは直接つながっておらず、鎖骨でのみつながって、宙に浮いているような状態です。ではどうやって、この背中の上部の位置をキープしていられるのでしょうか。それは肩甲骨を支えるさまざまな筋肉のはたらきによります。
背骨と菱形筋(りょうけいきん)という筋肉によって背中側に出過ぎないように、またそのほかの筋肉によって上がり過ぎたり、下がり過ぎたりしないように、キープされています。
また、肩甲骨が動くときには、鎖骨と肩甲骨をつなぐ肩鎖(けんさ)関節なども連動して動きます。たとえばデスクワークなど常に前かがみの姿勢の人は、胸の筋肉が収縮しているため、肩鎖関節の動きが悪くなり、肩甲骨の動きも悪くなってしまいます。
つまり、肩甲骨の動きには、鎖骨やその周囲のさまざまな筋肉がすべて連動しているため、肩甲骨の動きが悪くなると、さまざまな悪影響を招いてしまうのです。
(2) 肩甲骨が凝る原因
腕を動かすときに使われる肩甲骨ですが、日常生活の動きだけでは、肩甲骨はあまり動きません。さらにデスクワークや、パソコンやスマホを操作していると、前かがみの姿勢が長時間続き、肩甲骨はより動かなくなってしまいます。また年齢とともに筋肉は衰えていきますから、本来宙に浮いている状態であるはずの肩甲骨が、体の内側にへばりついたような状態になり、猫背になってしまいます。また、肩甲骨の動きが悪くなれば、その周囲の筋肉の血行も悪くなり凝る原因となります。
(3) 肩甲骨が凝るとどうなる?
○体と顔のたるみ
猫背にねると、顔のたるみを引き起こします。特に女性は乳房の重みがありますから、乳房の下にある大胸筋が下に下がり、大胸筋とつながった背中の上部にある僧帽筋(そうぼうきん)が、常に前側に引っ張られた状態になります。
すると肩のあたりで僧帽筋が盛り上がったようになり、首が短く見えます。猫背の状態が続けば、トップバストは下を向き、大胸筋とつながった首にある広頚筋(こうけいきん)も下に引っ張られるため、顔のたるみを引き起こすのです。
○背中に脂肪がつく
肩甲骨の動きが悪くなると、菱形筋もかたまってしまいます。筋肉には脂肪を燃焼させる筋肉とそうでない筋肉がありますが、この菱形筋は脂肪を燃焼させる筋肉。菱形筋が動いていない=脂肪が燃えていないということですから、背中に脂肪がつきやすくなるのです。
○ぽっこりお腹になる
猫背の状態が続けば、腹筋も弱くなっていきます。腹筋が弱くなれば、体を支えられないため、背中が丸くなる、という悪循環になります。
■ 肩甲骨ストレッチの効果とは?
(1)肩こり改善
肩甲骨ストレッチを含めて、ストレッチ運動の多くは体をただ柔らかくするだけではなく、クセなどで歪んでしまった体全体のバランスを整える効果があります。アンバランスな肩甲骨の場合、猫背など背中部分への影響はもちろん、肩こりや便秘など体全体に悪影響を及ぼすことも。
上半身の中でも重要な筋肉たちと結びついている肩甲骨をケアすれば、上半身全体の具合を良い方向へと導けますよ。
(2)代謝がアップする
肩甲骨の周辺や背中まわりに多く存在する「褐色脂肪細胞」という組織の働きに由来しています。脂肪細胞は身体の中にため込むと、体脂肪率が上がってポッチャリとした体型になってしまうと思われがちですが、脂肪細胞の中でも役割の違う褐色脂肪細胞は身体の中でエネルギーを消費し、体温調節を司っているものです。また食事をとったときに過剰なエネルギー源を熱に変換して消費し、肥満を抑制する効果が期待できるともいわれています。
(3)怪我の予防
スポーツのパフォーマンスに直結する肩甲骨周りの筋肉...硬くなる と可動域が狭くなり、肩こりや四十肩などのトラブルの原因になります。
背中周辺の筋肉に効果的なストレッチすることが大切です。
(4)姿勢の改善
肩甲骨のストレッチをすることにより背筋の調整にも繋がってきます。よって姿勢の改善にもなるといえます。
■ 今すぐできる!簡単肩甲骨ストレッチ
(1) 肩回し
正しい方法:
①手で肩の服を掴みます
②(1)の時、引っ張るのではなく、軽く掴みましょう
③ゆっくり後ろに回していきます
④胸の前に両手が来た時に、肘同士を合わせます
⑤そのままゆっくり5周させます
⑥その後、逆回しも同様に行います
※目安は左右6周ずつです。
(2) タオルの上げ下げ
1、タオルを持って高く腕を上げます。
2、ゆっくり腕を下げます。この時にタオルが頭の後ろを通るようにしましょう。
※タオルと縦にして上げ下げするのも良いです!
(3) 壁を使ったストレッチ
1、腕を上げて手のひらを壁に付けます。
※体の正面を壁に向け、壁から30cmほど離れて立ちます。
足を肩幅に開き、腕を真っすぐ上げて手を壁につけます。
2、腕と胸を壁につけ背中を反らします。
※両腕と胸を壁につける。背中から腰にかけての伸びを感じながら5秒キープ。
お尻は高い位置に保つ
(4) 胸を開いて背中を丸める
○両腕を前後に伸ばして肩甲骨を寄せていきます。
1.体の前で両腕を伸ばします。
2.天井を見ながら両手を後ろに引きます。
○背中を丸めるポーズ
1.正座で座り、胸の前で両手の指を組みます。
2.吸いながら背筋を伸ばします。
3.吐きながら、背中を丸めて、肘を曲げたまま腕を前に出し、5回呼吸します。
4.吸いながら背筋を伸ばし、吐いて両手を解放します。
(5) 首から肩甲骨を伸ばす
1.肩に手を置いて鎖骨を押さえます。
→左手で右肩をつかみ、手のひらで鎖骨を押さえます。
左脇はしっかり締め、鎖骨とその下にある胸の筋肉(大胸筋)を固定します。
2.正面向きのまま首を後ろに倒します。
→鎖骨をしっかり押さえながら首をゆっくり後ろへ倒し、あご先を軽く上に向けます。
このひと手間で、首の横にある別の筋肉が先に伸びてしまうのを防ぎます。
3.首を横にひねり胸鎖乳突筋をググッと伸ばします。
→首を後ろに曲げたままゆっくり左に倒し、あご先を右上に向けます。
耳たぶの下から胸鎖乳突筋が伸びるのを感じながら、5回深呼吸。
反対側も同様に。鎖骨の下に広がる胸の大胸筋をしっかりホールド。
胸鎖乳突筋の付着部も固定され、ピンポイントにストレッチできます。
(6) 寝ながらできるストレッチ
1.体を横向きにします(左右どちらが上でもOK)。
2.上になった方の腕を伸ばして、ゆっくり後ろに大きく回します。
■ 肩甲骨ストレッチに使える器具
ストレッチポール、ストレッチハーツ等、たくさんの器具があります。
さいごに
肩甲骨の硬さが肩こりや痩せにくい体を作っています。体全身にも大きく影響してきます。寒い季節に入っていきますが肩甲骨の運動をご自宅でも試してみてください。そして素敵な背筋、スタイルを手に入れましょう!
肩こり解消ができると皆様のストレス、1つ解消にもなりますね!!